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大通どうぶつ通信 vol.10

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「ねこちゃんの心臓病について」


はじめに
ねこちゃんの心臓病で最も多く確認されるのが、肥大型心筋症という病気です。この病気は、心臓の筋肉(心室筋)が厚くなってしまい心臓が充分に広がれず、全身へうまく血液を送れなくなる病気です。一般的には中年期に多いとされていますが、実際は若齢から高齢まで様々な年齢で確認されています。また純血種(メインクーン、アメリカン・ショートヘア、ノルウェイジャン、ラグドール、ペルシャ、スコティッシュ・フォールド)に多いとされていますが、日本猫にも多く確認されています。
この肥大型心筋症は、わんちゃんに多い弁膜症と違い、明らかな症状を示さないことが多いです。例えば、弁膜症のわんちゃんで多く見られる咳も、ねこちゃんではほとんど見られることはありません。そのため、病院を受診して肥大型心筋症と診断された時にはかなり病状が進行している場合が多いのです。
今回はこの肥大型心筋症について詳しくお話ししていきましょう。

主な症状
・症状が全くない
・食欲がない
・呼吸が苦しい(口を開けて呼吸する、身体全体で呼吸するように胸、お腹が大きく動く、など)
 ⇒胸水の貯留、肺水腫
・失神
・後肢麻痺および後肢の冷感⇒動脈血栓塞栓症

原因と種類
肥大型心筋症の原因には遺伝的素因が関与していると言われています。また、甲状腺機能亢進症、全身性高血圧、脱水などが基礎疾患として存在し、続発的に肥大型心筋症に似た症状になることもあります。
人と同じように、心室筋の厚みの変化や収縮、拡張の仕方により以下の5つの分類がなされています。
・肥大型心筋症
・拘束型心筋症
・拡張型心筋症
・不整脈原性右室心筋症
・分類不能心筋症

検査
検査は、聴診・心電図・胸部レントゲン検査・心エコー検査・血圧測定を行います。その中でも確定診断にもっとも有効な検査は心エコー検査です。
しかし、呼吸状態の悪い場合などは、状態を改善させてから検査の内容や順番を決めていきます。

治療
基本的な治療は飲み薬になります。血管拡張剤・強心剤・利尿剤といった薬を状況に応じて処方します。ねこちゃんはわんちゃんに比べお薬を飲ませるのが難しいため、その子その子に合わせて投薬内容を飼い主さんと相談していくことになります。状態が安定していれば、定期的な心エコー検査を3ヵ月ごとに実施しています。
また、呼吸困難(胸水や肺水腫)や後肢麻痺(動脈血栓塞栓症)のねこちゃんは入院管理での治療が必要となります。
特に、動脈血栓塞栓症になってしまったねこちゃんは、血栓溶解剤や鎮痛剤などを用いて治療をしますが、一般的には予後が非常に悪いとされています。

さいごに
ねこちゃんは具合が悪いことを隠す動物です。そのため心臓病に限らず、様々な病気でかなり病状が進行してから見つかることが多いです。普段の食欲・呼吸回数・運動量などを知っておくことが早期発見につながります。ぜひ自宅でリラックスしている時の呼吸数を測ってみてください。ねこちゃんの場合、1分間に30回程度が正常です。
その他にも気になることがあればいつでもご相談ください。

次回の大通どうぶつ通信は「慢性腎臓病」についてです。お楽しみに。


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