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大通どうぶつ通信 vol.5

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「わんちゃん・ねこちゃんの中毒について」
(食材編)


成長期から3歳くらいまでの若い時期は何でも口にいれて遊びながら確認しようとします。ひとの子供と同じですね。今回は誤って食べてしまった結果、危険を伴う可能性のある食材について、代表的なものをご紹介したいと思います。

① 致死率が高く危険な食材

ネギ類、キシリトール、カカオ類・チョコレート、 レーズン・ブドウ、 アボカド、マカデミアナッツなど


② 量により危険度が高まる食材

カフェイン、アルコール、牛乳、生卵、イカ・タコ、貝類、青身の魚、アワビ、スルメ、骨つきジャーキー 、レバー、ココナッツ、柑橘類、ホウレンソウ、煮干し、鰹節など


上記の中で、代表的な食材についてどのような症状が出るのかご紹介します。

① ネギ類(タマネギ、長ネギ、ニラ、ニンニク、エシャロット、ラッキョウなど)
症状:血尿、胃腸障害、元気消失など
ネギ類に含まれる成分が赤血球を破壊するため、貧血を引き起こします。これらの食材を煮込んだスープでもエキスが出ているので危険です。致死量についてははっきりしていませんが、ほんのわずかな量を口にしただけで中毒症状を示す子もいます。また、各食材で毒性成分の含有量が違うので、危険度も変わってきます。

② キシリトール
症状:低血糖、肝障害、嘔吐など
小型のわんちゃんでは1粒のキシリトールガムで症状がみられることがあります。摂取後、12〜24時間以内に肝臓で酵素活性が起こり、急性肝障害を発症することがあります。

③ カカオ(チョコレート、ココア)
症状:不整脈、心拍数の増加、興奮、けいれん、嘔吐など
カカオの成分であるテオブロミンが中枢神経を刺激します。
テオブロミンとはカカオの香り成分で、含有量が高いビターチョコほど危険です。一方、ミルクチョコレートは含有量が低いため、症状は出にくいですが、板チョコ1枚を全部誤食すると小型犬の場合(5kg以下)では、致死量になる可能性があります。

④ レーズン・ブドウ
症状:嘔吐、下痢、腹痛、急性腎不全など
摂取後2~3時間後から嘔吐、下痢、腹痛、3~5日後に急性腎不全を起こします。重症の場合は、亡くなってしまうこともあります。同じ量を摂取しても、重い症状が出る子もいれば、全く平気な子もいますが、避けるべき食材です。

⑤ マカダミアナッツ
症状:嘔吐、異常な高熱、 ふるえ、下痢など
摂取後12時間以内に症状が現れ、2日間ほど続きます。

⑥ ホウレンソウ
症状:膀胱結石、腎結石など
シュウ酸が結石の原因になります。シュウ酸はアクに含まれる成分で、茹でてアクを取るとシュウ酸も減らす事ができます。日常的にあげる食材としては避けるべきです。

⑦ 牛乳
症状:下痢
牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を消化するためにはラクターゼという酵素が必要ですが、わんちゃん・ねこちゃんにはそれがありません。 なかには平気な子もいますが、下痢をする場合は体質にあわないので控えましょう。

以上、代表的なものについて取り上げました。誤食してから30分以内(遅くとも1時間以内)であれば、吐かせる処置を行うことで重大な事故を防げる可能性があります。また、時間がたってしまった場合には点滴などの処置で症状を緩和できることもあります。ご自宅でわんちゃんねこちゃんが誤食しているのを見つけた際は、まずご連絡ください。

次回の大通どうぶつ通信では、食材以外の誤食で危険なものについてご紹介します。おたのしみに。





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