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大通どうぶつ通信 vol.19

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「わんちゃんの関節炎について」


はじめに
今回はわんちゃんの関節炎についてお話します。
関節は骨と骨をつなぐ構造物で、関節が骨をつなぐことで体をスムーズに動かすことができます。「関節炎」とはこの関節に炎症が起きることを言い、痛みや腫れ、関節の動く範囲(関節可動域)の低下を引き起こします。高齢の子や、関節炎の多い犬種、猫種の子ではよく見られる病気です。わんちゃんでは主に股関節、膝関節、肩関節に関節炎を生じることが多いです。
関節付近の骨は先端が軟骨になっていて、これがクッションの役目をしています。また関節の間に滑液(関節液)が存在していて、関節がスムーズに動かせる潤滑油の役割をしています。この部位に異常が起きると軟骨はすり減って変形し、炎症により滑液が増加します。その結果、痛みが出て関節の腫れにつながります。
関節炎の原因は多くが加齢に伴うものです。また肥満のわんちゃんは強く症状が出る傾向にあります。運動不足や、逆に運動のしすぎも原因となることがあります。
今回はこの関節炎の症状や治療についてご説明していきます。

1. 症状
関節炎の症状は徐々に進行することが多く、わかりにくい場合もあります。また、痛みが慢性化すると、わんちゃんが慣れてしまい、こうやって動けば痛くない、と学習して症状を隠してしまう場合もあります。

よくある関節炎の症状としては、
  • 寝起きの動きだしがぎこちない・震える
  • 散歩の距離が短くなった
  • 階段の昇り降りを嫌がる
  • 体を触ると嫌がることがある
  • 散歩のときの歩き方が変わった(足をかばう、腰を揺らす)
とくに冬は寒さにより痛みが強く出ることが多いです。

2. 診断
診断には触診とレントゲン検査が必要となります。 触診では各関節の可動域の低下や腫れがないかを確認します。痛みのある関節は極端に可動域が狭くなっており、この検査で痛みの有無を確認することが出来ます。痛みの場所を確認し、その部位のレントゲン検査を行い診断につなげます。初期の関節炎ではレントゲン検査で異常を認めない場合もあります。

2. 治療や日々の管理について
食事管理適切な運動痛みのケアサプリメントマッサージが重要です。
  1. ① 食事管理…適切な体重にするためのダイエットが目的となります。体が軽くなれば人と同じで運動しやすくなりますし、関節への負担も減ります。
  2. ② 適切な運動…筋肉を落とさないために必要となります。段差のない平坦な道の散歩コースを選び、わんちゃんのペースに合わせ時間をかけてでも一定の距離を歩き切る習慣をつけておくことが重要です。
  3. ③ 痛みのケア…痛みの反応が顕著な際、主に非ステロイド薬を使用します。症状に応じて数種類ある薬剤から選択します。短期間服用するものから長期間服用するものまで様々です。
  4. ④ サプリメント…種類が豊富で、現段階では関節炎のケアにおいて最もスタンダードな管理法です。何種類も服用する必要はなく、飲ませやすい物を選択し、継続することが重要です。
  5. ⑤ マッサージ…筋肉のこわばりや緊張をほぐし、関節の可動域を少しずつ改善するために行います。ご自宅でリラックスしている時に、まずは患部の足をなでてあげることから始めましょう。その後、足先から付け根にかけて優しく筋肉をほぐすようにマッサージしてみて下さい。習慣にすることでわんちゃんの少しの変化(むくみや腫れなど)に気付きやすくもなります。


関節炎はわんちゃんではとてもポピュラーな病気です。 日ごろからわんちゃんの体や行動をよく観察し、早く発見できるようにしてあげましょう。







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